はじめに──空間を整えることは、生き方を整えること
建築の仕事をしていると、空間をつくることは「人の生き方をデザインすること」だと感じます。
図面を引くとき、家具を選ぶとき、いつも考えるのは“暮らしの骨格”です。
だから私は、設計だけでなく本からも多くを学んできました。
それはインテリアの参考書ではなく、「どう生きるか」を空間を通して問うような本たちです。
今回は、そんな“建築的思考”で日常を見つめ直せる5冊を紹介します。
どれも、何度も読み返すたびに新しい発見をくれる本です。
この記事を書いている人

こんにちは!このブログを運営しているカイトミです。
このブログでは、一級建築士、認定コンストラクションマネジャー、認定ファシリティマネジャーの資格を持っているカイトミが「建築」×「ライフスタイル」をテーマに情報を発信しています!
この他にも以下の記事を書いていますので、ぜひ読んでみてください。
建築家が繰り返し読む“暮らしを整える本”3選

この記事でご紹介する本は、以下の3冊です。
- 『住宅読本』中村好文
- 『少ない物ですっきり暮らす』やまぐちせいこ
- 建築家の家シリーズ(Casa BRUTUS特集)
ここからは、今回ご紹介する本について1冊ずつ説明していきます。
『住宅読本』中村好文
中村好文さんの家づくりは、見た目より「住みやすさ」を何よりも大切にしています。
この本は、そんな彼の哲学をやさしい言葉でまとめた一冊です。
読んでいると、派手なデザインよりも「気持ちのいい家とは何か」を問い直したくなります。
忙しい日々の中で、もう一度“暮らしの原点”に戻りたい人におすすめです。
家を建てたい、リノベしたい、でも何から始めたらいいか分からない——そんな人に真っ先に手に取ってほしいのが、中村好文さんの『住宅読本』です。
建築家として数多くの住宅を手がけてきた著者が、「いい家って何だろう?」という根本的な問いに丁寧に向き合いながら、家づくりの基本からプロの視点までを分かりやすく語っています。間取り、素材、窓の位置、居心地の良さ……そのすべてに“住まい手”の目線が貫かれていて、読み進めるうちに、自分にとって本当に必要な家のかたちが少しずつ見えてきます。
難しい専門用語やテクニックに頼るのではなく、あくまで生活感と人間味のある語り口。中村さんの家に対する深い愛情と、使い手への思いやりが伝わってくる一冊です。
住宅設計を考えている人はもちろん、住まいについてじっくり考えてみたい人にもおすすめ。読むと、きっと家の見方が変わります。
『少ない物ですっきり暮らす』やまぐちせいこ
「片づけても、なんだか部屋が落ち着かない」
「収納術は試したけど、結局リバウンドしてしまう」
そんなふうに感じている人にこそ読んでほしいのが、やまぐちせいこさんの『少ない物ですっきり暮らす』です。
この本が伝えているのは、ただモノを減らすことではなく、“自分にとって本当に必要なものだけで暮らす”という視点。ミニマリストという言葉が広まる前から実践してきた著者の経験が、具体的で実用的なアドバイスとして詰まっています。
- なぜモノが多くなってしまうのか
- どうやって「捨てられない気持ち」と向き合えばいいのか
- 少ないモノで心地よく暮らすコツとは?
これらを無理なく実践できるよう、やさしく背中を押してくれる一冊です。写真も多く、読むだけで「部屋を整えたい」と自然に思える力があります。
暮らしをすっきりさせたい人、モノとの付き合い方を見直したい人、自分のペースで始めたい人にぴったりです。
建築家の家シリーズ(Casa BRUTUS特集)
理想の家って、どんな家だろう?
そのヒントを“本気の家づくり”から見つけたいなら、『建築家の家シリーズ』(Casa BRUTUS特集)は間違いなくおすすめです。
この一冊に登場するのは、第一線で活躍する建築家たちが自分と家族のために設計した“住まい”。つまり、仕事抜き、忖度なし、本音だけでつくられた「本当に心地いい空間」が詰まっています。
リモートワーク、読書、料理、子育て、趣味──
家で過ごす時間が長くなった今、建築家たちがどんなふうに「時間の質」を上げているのか? それぞれの暮らし方と空間のつくり方に、リアルで具体的なヒントがあります。
美しい写真と間取り図も豊富で、見ているだけでも刺激に。インテリアや収納、自然との関係性まで、設計の裏にある“哲学”が垣間見えるのも魅力です。
これから家を建てたい人、住まいを見直したい人、自分の「暮らし方」に向き合いたい人へ。
プロたちの“家時間”を覗いてみませんか?
おわりに──本を通して、自分の“空間の設計図”を更新しよう

いかがでしたでしょうか。
この記事では、建築の構造について学びたい、建築構造について学べる本を知りたい人に向けて、建築構造に関するオススメの本をご紹介していきます。
紹介した3冊は、どれも「暮らし=設計」という視点で読むことができます。
それぞれに共通しているのは、“デザインとは心の整理”という考え方。
建築的思考とは、見た目の美しさではなく、どう生きるかを構造的に考える力です。
それを教えてくれるのが、本の中にある静かな言葉たち。
読み終えたあと、部屋の片隅を見回してみてください。
光の入り方、椅子の高さ、モノの量──そのすべてが、あなた自身の思考の反映です。
今日紹介した本たちは、その思考を深め、暮らしを少しずつ整えてくれる“伴走者”のような存在になるでしょう。
この記事が、建築構造について学びたい学生や建築に興味のある方の参考になったら嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
カイトミ

